タワー・オブ・テラーへ、ようこそ。ここから乗り場までは少し長いですが、その時間もちゃんと楽しんでいただけるように、ご案内しますね。
落ちるのが怖い方も、ちょっとだけ聞いてください。この列に並んだ時点で、あなたはもう、ひとつの物語の中にいるんですよ。
歩く順番のとおりにお話ししますので、読みながら、ゆっくり進みましょう。それでは、ツアーに出発です!
通りから
まず、列の外から見える建物の話です。あれは「ホテルハイタワー」という名前のホテル。大富豪で探険家の、ハリソン・ハイタワー三世が建てました。
ところが彼は、ある夜このホテルで、消息を絶ちます……。それをきっかけに、ホテルは「恐怖のホテル」と呼ばれて閉鎖されました。いま見学ツアーを開いているのは、ニューヨーク市保存協会という団体です。つまりあなたが並んでいるのは、その見学ツアーの列なんですよ。
ここでもう一度、建物を見上げてみてください。ちょっと変なことに、気づきませんか?ひとつの建物なのに、あちこちで形が違うんです。じつは、このホテルは一棟の建物ではありません。正面の低いところは、もともと彼のお父さんが建てたお屋敷。その上に彼が、世界中で気に入った建築の様式を取り入れて、増築を繰り返したのが今の姿なんです!
つまりあの外観は、一人の男が世界から持ち帰ったものを、継ぎ足し続けた記録なんですね。

ロビー
館に入ると、天井の高いロビーに出ます。ここはもともと「大邸宅」と呼ばれた、彼が暮らしていた場所です。頭の上には、自分の力を見せつけるように描かれたステンドグラス。そして壁には、世界中から集めたコレクションのいきさつを描いた壁画が、並んでいます。
見上げる余裕があったら、壁画の絵をひとつずつ見てみてくださいね。夜の日本の城から、鎧を人力車に載せて運び出している場面があります。ジャングルの遺跡から、石像を舟に積んで急流を下る場面もあります。どちらも、後ろから追いかけてくる人たちが描かれていますね。……持ち帰り方に、少し無理があったのかもしれません。私はそう思いながら、見ています。


ちなみに、肖像画の探険帽の人物がハイタワー三世です。この顔、ディズニーのイマジニアであるジョー・ロードさんに似ていると、ディズニー公式のD23が書いています。
書斎
その先で通されるのが、彼のプライベートオフィスです。ここが、物語の夜の舞台になった部屋です。
アフリカの探険旅行から帰ってきた彼は、この部屋で、持ち帰った品々を披露するパーティーを開きました。その中でひときわ注目を集めたのが、シリキ・ウトゥンドゥという呪いの偶像。部屋の蓄音機に残っているのは、そのときの記者会見です。1899年12月31日のことでした。
そしてその夜、彼は偶像を抱えて、エレベーターに乗り込みました。……その姿を最後に、行方が分からなくなっています。
倉庫
書斎を出ると、案内はホテルの業務用の通路へ入ります。向かう先は、ホテルの奥にある、秘密の倉庫です。
ここには世界中から持ち帰られたコレクションが、テーマごとに6つの部屋に分けて収められています。絵画の部屋、鎧の部屋、という具合です。開けられていない木箱も、たくさん置かれていますよね。彼がいなくなった夜から、コレクションはここで止まっているんです。
床には鉄の跳ね上げ戸があって、その下は地下通路につながっていました。いまは水に沈んでいて、どこへ続いているのかは分かっていません。
エレベーター
コレクションルームの隠し扉が開いたら、いよいよエレベーターです。豪華なホテルなのに、乗るのはずいぶん無骨なエレベーターですよね?あれは、業務用なんです。本館の立派なエレベーターは、あの夜に失われました。
座席を、よく見てください。……公園のベンチです!ツアーを開いている保存協会が、公園のベンチを持ち込んで座席にしました。柵には、ハイタワー三世の紋章が入っています。父の屋敷から始まって、世界中の様式と、集めた品々と、最後に借り物のベンチ。このホテルは最後まで、継ぎ足しでできているんですね。
ここから先は、保存協会のみなさんにお任せしますね。
みなさまどうぞ、よいツアーを。
出典: この記事の事実は、以下で確認しています。
・東京ディズニーリゾート公式サイト アトラクションページ「タワー・オブ・テラー」(2026年9月14日閲覧)
・東京ディズニーリゾート公式ブログ「恐怖のホテル『タワー・オブ・テラー』は明日で15周年!」(2021年9月3日)/「ニューヨークの富を二分する2人の実業家」(2021年8月26日)/「アトラクションキャストが教える!見どころ紹介〜恐怖のホテル『タワー・オブ・テラー』編〜」(2019年4月18日)
・D23 "Harrison Hightower III"(ディズニー公式)
・ロビーの壁画と肖像画は、2016年12月に列の中で撮影した写真で実物を確認
注記: 本記事は非公式のファンコンテンツです。ウォルト・ディズニー・カンパニーおよび株式会社オリエンタルランドとは一切関係ありません。