ワールドバザールへ、ようこそ。ここは列に並ぶ場所ではありませんが、今日一日のはじまりと終わりに、必ず通る道です。この道もちゃんと楽しんでいただけるように、ご案内しますね。
今日ご案内したいのは、お店の中ではないんです。お店の上。2階の窓です。
歩く順番のとおりにお話ししますので、読みながら、ゆっくり進みましょう。それでは、出発です!
入口のアーチ

入園ゲートを抜けて、赤レンガのアーチをくぐると、ガラスの屋根の通りに出ます。……ここで、少しだけ、うしろを振り返ってみてください。入口の赤レンガには、アーチがいくつか並んでいます。そのどれかの上に、張り出した窓が3枚。
左の窓に、ティンカーベルがいます!金の星をまいて、飛んでいるところです。見つかりましたか?
真ん中と右の窓には、文字が入っています。「WALTER E. DISNEY DESIGN & ASSOCIATES MASTERPLANNING」。ウォルト・ディズニーの名前です。その下に、小さく一行。「If it can be imagined... it can be created」、想像できるなら、それは創造できる。
この通りを歩いた回数は、一度や二度ではないと思います。でも、この窓を読んだことはありましたか?今日は、2階の窓を読んでいきます。
赤レンガの窓

同じ赤レンガの上の、ほかの窓も見ていきましょう。
こちらは、「LACEMAKER」。レース職人のお店です。上等な手作りのレース、フランスとオーストリアからの輸入もの。窓の中に、レースの服を着た婦人の絵も見えますね。
ワールドバザールは、20世紀のはじめのアメリカの街並みです。ウォルト・ディズニーはもともと映画を作る人で、パークにも映画のセットの手法が使われているそうです。たとえばこの通りは、お城に向かって道幅が少しずつ狭くなっていて、入るときはお城が遠く、帰りは出口が近く感じるようにできています。2階の窓も、セットの看板みたいですね。2階に、本当にレース屋さんがあるわけではありません。看板だけのお店です。

では、こちらの窓。左の窓に「ORIE」「LAND」、右の窓に「NTAL」「CO. LTD.」。……2枚の窓を、またいで読んでみてください。
ORIENTAL LAND CO. LTD.
オリエンタルランド!この街を作って、今日も動かしている会社の名前です。こちらは、看板だけではありません。本物です。
縦長の窓

同じ赤レンガの上に、縦長の窓がもうひとつあります。「TOKYO DISNEYLAND CASTING AGENCY」。その下に、ここにもウォルトの名前と、「It takes People to Make the Dream a Reality」、夢を現実にするのは人、という言葉。
実は、カリフォルニアのディズニーランドのメインストリートにも、この窓と文面がほとんど同じ窓があります。あちらのメインストリートでは、2階の窓に、ディズニーランドを作って動かした人たちの本名を入れるのが、ウォルトが1955年に始めた習わしだそうです。お店には名前が要る。それなら、本当の名前を使おう、と。
通りの2階

さあ、通りを歩きましょう。歩きながら、2階を見上げてみてください。文字の入った窓が、あちこちにあります。
桃色の壁に「MAIN STR. TAILOR」、仕立屋さん。窓の中に、紳士の絵。

クリーム色の出窓には「DRESSMAKER」、婦人服の仕立て。レース屋さんと同じ、この街の2階の商売ですね。
仕立屋さんも、レース屋さんも、看板だけのお店。……では、この先の窓は、どうでしょう。
タウンセンターファッションの入口

通りの途中に、「TOWN CENTER FASHIONS」というお店があります。いつもおしゃれなミニーとデイジーがオーナーを務めている、ファッションのお店です。服を見に、入ったことがある方も多いと思います。
その入口の前に立って、真上を見上げてください。青い枠の、アーチの窓が3枚。真ん中の窓に、お城の絵が入っています。

お城の絵の上に、「Office of LEGENDARY CREATIONS」。そして、お城の絵の下に、名前があります。
MASATOMO TAKAHASHI
髙橋政知。日本人の名前です!
オリエンタルランドで、後に社長になった人です。ここがまだ海だった頃、埋め立てのために、地元の漁師さんたちと何度も膝を突き合わせて話し合った人です。そして社長のとき、東京にディズニーランドを作る構想を、ウォルト・ディズニー・プロダクションズに持ちかけました。
この方の願いは、日本の子どもたちをディズニーランドへ連れていくことではなく、日本の子どもたちのところへ、ディズニーランドを持ってくることだった、といいます。1998年にディズニー・レジェンドに選ばれ、2000年1月に亡くなりました。東京ディズニーシーが開園する、前の年です。
この窓は、服のお店の入口の、ちょうど真上です。みなさんが服を見に入っていく、その扉の頭のすぐ上に、この名前があるんです。
帰り道

帰りにアーチをくぐる前に、もう一度だけ、上を見てください。入ったときに振り返って読んだ、あの窓です。お土産屋さんの通りだと思っていた道の2階に、この街を作った人たちの名前が並んでいます。
それでは、みなさまどうぞ、よい一日を。
出典: この記事の事実は、以下で確認しています(2026年11月6日閲覧)。
・東京ディズニーリゾート公式ブログ「パークのかわいい窓コレクション♡~東京ディズニーランド編~」(2021年3月31日。ワールドバザールに入ったところで振り返るとティンカーベル)
・東京ディズニーリゾート公式ブログ「東京ディズニーリゾート・アンバサダー活動報告(6月)」(2013年7月19日。映画のセットの手法・道幅が入口より出口の方が狭い・帰り道は出口が近く感じる)
・東京ディズニーリゾート公式サイト「7つのテーマランド」(ワールドバザール=20世紀初頭のアメリカの街並)
・東京ディズニーリゾート公式サイト ショップページ「タウンセンターファッション」(ワールドバザールの店)、公式ブログ(2016年8月24日。ミニーとデイジーがオーナーを務めるファッション専門店)
・D23「Main Street U.S.A.」「Rolly Crump and Don Edgren Enshrined on Main Street, U.S.A.」(カリフォルニアのメインストリートの2階の窓の習わし・1955年にウォルトが始めた)
・Disney Parks Blog「Walt Disney's Legacy at Disneyland」(カリフォルニアの Casting Agency の窓の文面)
・D23 Disney Legends「Masatomo Takahashi」(1998年レジェンド・1978年に社長・構想の持ちかけ・願いの言葉・2000年1月没)
・株式会社オリエンタルランド公式「創成期(1960年~1974年)」(後の社長となる髙橋政知・漁業組合との交渉)、公式「企業情報」(テーマパークの経営・運営)
・窓の文字(ティンカーベルとウォルトの名前・ORIENTAL LAND CO. LTD.・CASTING AGENCY・LACEMAKER・MAIN STR. TAILOR・DRESSMAKER・MASATOMO TAKAHASHI)と、髙橋政知の窓がタウンセンターファッションの入口の真上にあることは、2018〜2019年に撮影した自前の写真で確認しています。文面はその後変わっている場合があります。
注記: 本記事は非公式のファンコンテンツです。ウォルト・ディズニー・カンパニーおよび株式会社オリエンタルランドとは一切関係ありません。